イランビザ申請、完了!

イランビザ申請。
イランの領事館、大使館に赴く事、はたして合計何回目になるのだろうか。
良い事は数えるが、良くない事は数えない方がよい。
だから何回目か敢えて忘れた。


前回は近くのバスターミナル、アッパラから歩いて日本大使館脇のゲートまで
行き、パスポートを提示して中に入れてもらった。
今回は、アッパラで大使館エリア行きのバスがあると言われたので、それに乗る。
だが、大使館エリアの外周を大きく回りシャトルバスステーションに到着。
どうも、これが大使館エリアに入る正規のルートらしい。
ステーションでは希望する大使館を告げてチケットを発行してもらう。
そして携帯、カメラ、iPodを預けなければならないとのお達し。
大使館エリア内にてテロ活動、もしくはその準備に使われる可能性のあるものは
悉く預けなければならない。
シャトルバス代、200Rs。
既に脳内がパキスタン物価になれているものだから、法外だと憤りを感じる程の
値段設定だ。
だが、しょうがない。


シャトルバスは近隣の大使館を回りながらイラン大使館へ到着。
今回はちゃんと申請時間内に到着している。
パスポートを渡し申請をお願いすると、小一時間待たされ、やっと中に入れて
もらえる。
そこにはイラン人の大使館員と思しき人間と、現地採用であろうパキスタン
がソファーに座って待っている。
そこからインタビュー開始。
イランへ行く目的は何?
具体的にはどこを回るの?
どのくらいの期間いたいの?
と通り一遍の質問があった。
全て、イラン人がペルシャ語で話し、それをパキスタン人が英語に通訳する形。
海外の大使館へ赴くと、英語が話せない大使館員が結構居る。
要はそういった人間でも大使館員になれてしまうという国なのだろう。
ついでに日本大使館員も、英語の話せない人間が結構多そうである。


パスポートを一時間前に預けているので、彼等は内容をしっかり読んでいる。
ラホールで行ったパキスタンビザ延長スタンプを見て、なんでラホールの
イラン領事館に行かなかったのか?と鋭い指摘。
だが想定の範囲内
ラホールのイラン領事館で紹介されたiranianvisa.comとは喧嘩別れをしている
ので、しらを切るしか無い。
「ラホールにイラン領事館があるなんて知りませんでした。」
解せない顔をしていたが、そう言うしかない。
その後もちょいちょいと質問が有り、無難にお答えをする。


それからパキスタン人が徐に立ち上がり、どこかに電話をかけている。
ペルシャ語だから解らないが、ところどころにバングラデシュって単語が
聞き取れる。
もしや、バングラデシュダッカでビザ申請したものがまだ生きているの
だろうか?希望的観測だが。


その電話の後、一週間後にまた来てくれと言われインタビュー終了。
無事申請も受理された様だ。


iranianvisa.comから来ていた、MAFルールに則りイラン領事館、大使館の
ブラックリストに載せるって話はやはり吹かしが入っていた様だ。
まだビザを受理をした訳ではないので、どう転ぶかは判らないが。


とりあえず、出来る事はした。
あとは結果を待つのみ!

ウリ科の野菜はどこでも見かける。
甘い品種も多いので、フルーツとして結構手を伸ばしている。


パキスタンでカルブースは特別にうまい。
メロン(網状の模様が無いヤツ)に味はそっくり。
南瓜の一種に見える。
1kgで60Rsが相場。大きいヤツだと2つ、小さいのだと3つ。
毎日食べている。
甘味の中にちょっとしょっぱさもあり、好みの味。
おいしい。


あとはタルブース。
イカ(縞々が無いヤツ)とほぼ同じ。
イカは漢字で書くと、西瓜。
江戸初期に中国から渡来。原産はアフリカ。
中国においては西にあたる中央アジア原産と考えられていた。
よって西の瓜、中国語発音のスィークァがそのまま伝わってスイカ。らしい。

手前の緑色のがタルブース、果肉は赤。
判りづらいが、左端のがカルブース、果肉はオレンジ色。


ウリ科の植物としてついでにキュウリ。
キュウリは漢字で書くと、胡瓜。
胡とは古代中国で北方、西方の異民族に与えられた総称。
でも、キュウリの原産はインド。
この場合「胡」はペルシャとして扱い、シルクロード経由で伝わったからと
いう事になるらしい。


カボチャは南瓜。
実はポルトガル語カンボジアが語源となっている。
でも実は熱帯アメリカ原産。
なんでカンボジア原産と考えられていたかといえば、ポルトガルが東南アジア、
カンボジアの港を経由して日本に運んで来ていたから。


瓜の名前一つとってみても、勘違いから名付けられているケースが多い。


勘違いが多いという事はそれだけ、広汎にわたり様々な経路で、かつ複雑な
交易ルートが古来より存在していたという事。


カルブースを食べながら、様々な土地に瓜をもたらした、昔の貿易商達の
努力を想う。

ウルドゥー

パキスタン公用語であるウルドゥー語のウルドゥーはトルコ語で「軍営」
を意味する。
文法構造、日常語彙はヒンディーと同じだが、成立時の支配者側言語であった
ペルシャ語トルコ語が混じり、かつアラビア文字を使用している。
電車や軍車輌はアラビア文字のステンシル。かなり渋い。
とりあえずアラビア文字コカ・コーラと表記されているおなじみのコーラ瓶を
お土産としてチュチュっと頂戴しておいた。


そしてラワルピンディー駅前に広がるバザールで軍用品街を見つけていたので
めぼしい物が無いかと今日は張り切ってトレジャーハンティング。


アメ横中田商店にて軍払い下げ品は大量に売られているが、流石にパキスタン
軍のものは未だ目にした事が無い。
この軍物街は毛布から蚊帳、ガスマスクまで結構な品揃え。
そこで目についたのは、パキスタン陸軍のものと思われるカーキ色のシャツ。
軍指定の工場にて作られた証明のスタンプが裏地に捺されている。
製造年は1998年で今から12年前。日本風に言うならば、デッドストック。渋い。
値段も300Rs、日本円で\300。宿一泊分より高いが、清水の舞台から飛び降りる
感覚で購入。
購入時にはタグを切られた。軍関係者以外には完全な形で売る事が出来ない
かららしい。


今、ヘビーローテで着ているのはインドで作った麻のシャツ。
寝る時はチベタンキャンプで買った、梵字がプリントされたTシャツ。
そこにパキスタン軍のシャツが加わる。
出発前に自分が考える旅行に最適な洋服を用意して来たが、結局一番着る様に
なるのは現地で購入したものばかり。
服装に関しては、それほどシビアになる必要は無かったカモ。
現地で良い物が安く手に入るから。


とりあえず、軍シャツを着て一人ニヤニヤしちゃっている。

両替とイラン大使館

お金が無い。
つっても、現金が無いって話だが。


これは結構重大な問題なのだが、パキスタンではT/Cの換金に苦労をする。
今迄の国々ではやっぱりレートの良い現金ばかりを両替してきて、今現在は
T/Cしか手元に残っていない。
パキスタンでT/Cしか持たないという事は、すなわち大損を意味する。


まず、数年前までパキスタン国内にあったアメックスのオフィスが完全に
撤退してしまっている。
アメックスのオフィスさえ有れば、それほど酷い両替レートにはならない。
なんせ、自社で発行したT/Cだからそんな下手な事は出来ないのだから。
でも、今は完全撤退!
ラホールでも天下のシティーバンクを当たってみたが、すげなく断られ、
この街ではオマーンバンクでしかT/Cの換金を扱っていないと言われた。
仕方なくオマーンバンクで換金するが、極悪レートと法外な手数料で
軽く計算したところ、現金両替の8割。2割も持ってかれてる。
ところで、オマーンってどこの国よ?


今日もイスラマバードのイラン大使館へ向かう前に現金を作らなきゃって事で
アメックスのT/Cを受け付ける両替商を見つけて両替したのだが、相変わらず
$18もの手数料。
オマーンバンク程悪くはならなかったが、損をしまくっている。
お金の使い方が上手い人間であると自負しているだけに、この間抜けっぷりは
ちょっと心に堪える。
そんなんでもやっと現金を作ってイスラマバードへ向かう。


ラワルピンディーからイスラマバードまでは乗り合いワゴンで1時間程。
検問を日本国のパスポートを提示しながら抜けて、ガイドブックに載っていた
イラン大使館ビザ受付時間のリミットである13時、15分前に到着。
申請をお願いすると、受付は12時までだと突き返される。
やっぱ、そうだよね。13時ってなんか変だもん。やっぱり12時の間違いです
よねって事でやっぱり明日は日曜日で休み。
そんでもってイラン大使館都合で月曜日も火曜日もお休み。
ラワルピンディーで水曜まで待ち。


相変わらず、そういった星のもとにあるのかもしれない。

ラワルピンディーへ

パキスタンの首都、イスラマバードへ向かう。
だがイスラマバードは1961年から造られた特殊な都市であり、そこは
碁盤の目の様に区切られた完全な計画都市であり行政機関の施設を中心とした
建物しか建っていないような場所であり、ユースホステルを除きホテルも一流
のものしか存在しない。
そして駅も無い。


だから、旅行者達は大抵イスラマバードに隣接するラワルピンディーに滞在する。
ラワルピンディーは古い都市であり、庶民の街だ。


ラホールから鉄道を使い、7時間で到着。
インドの鉄道よりマシだが、やはりパキスタンの鉄道も遅延が酷い。
日本の鉄道ダイヤの正確さってのはもはや神業なのだと思う様になって来た。
日本人、米を喰ってもパンクチュアル!


そんでもってラワルピンディーに到着。
この街の雰囲気は結構好きだ。

セルフィッシュ

インドのバナーラス、ガンガー沿いの目抜き通りであるベンガリートラには
場違いに奇麗なお洒落カフェが営業している。
牛や野良犬が行き来するベンガリートラに向かいオープンカフェ
無謀な試みであり、アバンギャルドな魅力を感じる。
店舗名から、きっとインド人男性と結婚した日本人女性が経営している店
なのだろう。
バナーラスには日本人女性の名前を冠する店が複数あり、宿泊したクミコハウス
もそれに含まれる。
きっと日本資本で作られた店だからなのだろう。
何にせよ旦那のインド人はすべからく、日本人女性の尻に敷かれている。


ベンガリートラにあるお洒落カフェの従業員は全員日本人の女の子達。
近くの安宿に宿泊をして、そこからお洒落カフェに出勤している。
一体、この娘達は何をしにインドに来たのだろうかと不思議に思っていた。
給料も当然インド基準でしか支給されないのだろうし、そもそも就労ビザ
ではなく観光ビザでアルバイトをしているのだろうし。
そんな謎がちょっとだけ解けた。


宿のセルフィッシュなフランス人が、日本語のメールを訳してくれと言って来た。
面倒だし、人のメールを覗き見するのも嫌だから一度断ったが、相変わらずの
強引さに押し切られてしまう。
文章を読むと、送信者は例のお洒落カフェで働いていた女の子の一人らしい。
なんでもそのお洒落カフェの常連だったフランス人に聴かせてもらった曲名
が知りたくてメールをしたと書いているが、明らかに好意が感じられる文面。
でも日本語。
最後に、日本語だからきっと読めないよね。なんて書いてある。
だったら送るなよ!
無関係な俺っちが巻き込まれて訳すハメになってしまっている。
しかもなんだか甘酸っぱい気持ちになっちゃってる。


きっと、外国人男性との出会いを求めてってのも彼女がインドのカフェで
働く理由の一つになるのだろう。
その割には英文を書く努力もないんだろうし、男を見る目も全く無し!
絶対好きにならないタイプ!
そして好きになられないタイプ!


やっぱり、フランス人が書いた英文をまた日本語に訳してメール送信してくれ
って言われ、断るが、断りを聞いてくれない。
一々、そんな事やってられっかって事で、やんわりと自分で訳して読んでね
って日本語の文面を書いて送っておいた。
フランス人も英語を日本語にするとこんなに短くなるのかって驚いていたが、
概要しか書いてないってお茶を濁しておいた。


彼女にとっては日本語で送ったメールが届いちゃった。ラッキーって事で
完了してしまうのだろう。
そんなあっけらかんとした女の方が、幸せにはなれるのかもしれない。
でも、そんな女は嫌いです。


やっぱ、ケツの穴が小さいから結婚出来ねーな、こりゃ。